6.腱と筋の連結部分に注目
腱と筋の連結部分は、分離しがたく非常に強固です。また、この部分の腱と筋の移行の仕方については、従来から2説があります。
@筋線維をつつんでいる鞘が直接腱線維に移行するとする説。
A筋線維のもとになっている筋原線維が直接的に腱原線維に移行するとする説。
現在は、筋と腱の移行する部位(連結部)で筋線維が鈍端をもって終わり、腱の原線維が両手の指を組み合わせたような格好でこれに接続するとする説が一般的です。
この移行部は、腱の病を考える場合、臨床的にも、病理発生を考える上でも重要な鍵を握っていることになります。なぜなら、筋腱移行部(骨格筋の両端)の仕組み(構造ならびに機能)は、断面積当たりの力が大きく、筋線維の中で力に対応している筋節(Z帯からZ帯の間)という部位の数も少なく、疲れてくると筋損傷や筋障害が発生し易いとも言われています。またこの部は、組織の栄養(血管)分布が少なくなっていく部分であり貧血に陥り易く、しかも筋肉の軟らかい組織と腱組織の硬い組織との連結部分でもあることから、病気が発生し易く臨床的に障害の早期発見可能な絶好の部位になる可能性を占めています。
(財団法人軽種馬育成調教センター BTCニュース 2002年47号より)